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| 『CMオーディション』 |
「明日、CMのオーディションに行ってくれ」
と、急に言われ青山のスタジオに行ってきた。
過去に相方も保険のCMオーディションに行って散っていたが今度は私の番である。
とあるお菓子のCMで役柄は『ボクサーのセコンド』らしく、控え室に入ると屈強な男達がピリピリした空気の中鬼の様な形相で控えている。ガチンコファイトクラブの様なその無駄な気合いの入り方に吹き出しそうになり急いで外に出た。
私は完全に『フラっとタバコを買いに来たついで』みたいな雰囲気で来てしまった。
どちらの雰囲気が間違っているのかわからないが、少しでも物音がすると全員がするどい視線のレーザービームを一斉に音の先に向ける。そんな控え室の様子。
こいつらアホか、と笑いを我慢して半笑いになってる私も以外にそこに馴染んでいる。
「じゃあ富澤さん、写真撮りますんで。」
資料用の写真も半笑いになってしまった…。
二人一組でオーディションの部屋に通された。カメラの前で自己紹介をさせられ、何人かいるスタッフがその場のモニターで見ている。
「ではそこのイスにボクサー役のスタッフが座りますのでセコンドの演技をして下さい」
…セコンドの演技…。なるほどオーディションとはいきなりこんな感じなわけか。ただセコンドの演技とか知らねーし!
隣の人がやるのを見よう見まねでパクッてやった。
そして
ボケた…。
きっと今、ボケはいらなかった。
だがこの空気に耐えきれずにボケてしまった。
もう一人の人は年上の役者のようで真剣に演技をしていたのだが、可哀想なことに完全に私にペースを乱されている。
「ありがとうございました!そしてすいませんでした!」
私は頭を深々と下げて半笑いで部屋を出た。
一緒に組んだあの人が受かってくれるように心から願っている…。 |
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| 『トリノ五輪』 |
後輩の作家水野が熱心にオリンピックを見ている。
種目は『カーリング』だ。
「こんなもん面白いか?」
「いや面白いんですよ!」
と覚えたてのカーリングのルールを熱く語り始めた。
「…ってルールなんですよ!わかりましたか?」
「…うるせーよ…!」
「で、ハーフタイムでは両チームともフルーツを食べるんですよ!」
「何で?」
「知らないです」
「…うるせーよ…!」
「結構女子の日本代表かわいいんですよ」
「そうでもないじゃん」
「いや、かわいいですよ」
「…うるせーよ…!あのほうきみたいなんで氷はくじゃん?」
「あーはい」
「やっぱ掃除してる人とかをスカウトしてんだろうな」
「そうなんですかね?」
「…そんなわけねーだろ!でもたぶんカーリング強い国はボーリング場じゃなくカーリング場が沢山あるんじゃねーか?」
「…知らないですよ、ちょっと黙ってて下さい…!」
とにかくがんばれ日本…! |
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| 『手紙』 |
最近男女を問わずファンだという人に声をかけられたりプレゼントをもらう機会が増えた。
ライブ終わりに二人からプレゼントを頂いた。開けるとどちらも入浴剤である。なるほど、前に私が風呂好きという話を書いたがそれを見てわざわざ購入してきてくれたのだろう。早速風呂に入れて使わせて頂いた。ほんのりと香る、白い、実にいい湯だった。
ファンとはありがたいものである。
遠くから一人で来てくれたり、手紙やプレゼントを持ってきてくれたり、きっとコワモテの私達に勇気を出して話しかけてきたりしてくれてるのだろう。
特に手紙は嬉しい。
きっとライブ終わりのその場ではそんなに話もできないしこちらも忙しかったりするから後からゆっくりその人の思いを読むことができるからだ。
基本的にもらった手紙は全て目を通している。それが例え汚い字であっても、一生懸命書いてくれたんだろうなぁ、と感激させられる。
私もよく手紙やメールを使う。
金玉の話しかできない、口下手で不器用な男だからなおさらだ。
ふと、ポストを覗いて見た。
入っていたのは電話代と年金の請求証だけだった…。 |
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| 『能書きはいい、読めばわかる』 |
私がボツにした金玉についての話を相方がブログに載せた。
書いててあまりにくだらないのでボツにしたのだが逆により多くの人が見る結果となった。別に構わない。そんなもの結果論だ。
それに書いたように私は金玉を単なる体の一部の面白いパーツだと思っているだけで下ネタとは思っていないということをムコ殿には反論させてもらう。それでももし納得できないというなら納得いくまで話すしか解決策はないし、ことによっては目に金玉押しつけなくてはならない。
私を変態よばわりしてる相方だが、私から言わせれば彼の方がよほど変態の狂人である。
ライブを見に来ている方々はその片鱗を目の当たりにしているだろうからあまり説明の必要はないと思うが、普段は話の内容の九割がエグい表現でここにはとても書けないようなことばかりである。
彼は変え歌が好きなようで、必ずその歌詞には『ち○ぽ』という表現が出てくる。
とある金融会社のCMが流れた。その直後彼は歌い出した。
『♪忘れな〜いで〜ち○ぽよ〜りも〜大切な物がある〜』
単なる変態である。
こんな変え歌を16歳の頃から100曲は聞いた。
高校時代、まだ携帯電話が普及していなかった。
母が帰宅して家の留守電を見るとランプが光っている。
再生ボタンを押した。『♪ち〜○ぽち○ぽち○ぽち○ぽち○ぽち○ぽ〜 ち〜○ぽち○ぽち○ぽち○ぽち○ぽち○ぽ〜ひょお〜』
という歌が延々と流れた。
「たけし、何かち○ぽち○ぽって歌うイタズラ電話入ってるわよ」
母親の口から「ち○ぽ」という単語を聞く衝撃は忘れられない。
そしてその留守電を聞くと明らかに知ってる男の声が男性生殖器を連呼する卑猥な歌を気持ちよさそうに歌いあげていた。
これ以上説明する必要もない。
誰が一番『変態』で『頭がおかしい』のか。それはあなたが決めればいい…。 |
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| 『行きつけの店』 |
お金が無くてなかなか東京で行き着けの店ができないのが残念だ。
地元仙台では行き着けのお好み焼き屋があった。母校の南光台中学校の目の前で中三から行き付けだった『みなみ』である。
テーブル三つとカウンターだけの小さな店で『みなみのおばちゃん』と言われるおばちゃんが一人でやっていて、授業の少ない土曜日などは学校帰りに毎週のように仲間とたむろして、卒業してからはただただ話をしに行くこともあり、人生の先輩からは色んな話をしてもらったりよくアイスを食べさせてもらった。
外にはジュースの自販機があって夜中そこで冷たいコーヒーを買ったら激烈に熱いホットの炭酸ソーダが出てきたことがあった。本来なら店ごとぶっ潰すところだがおばちゃんに免じて勘弁してやった。後日おばちゃんに言うとよく業者が間違えて入れてくソーダ…。
私が上京すると同時に実家が市外へ引っ越してしまってみなみにはここ何年か顔を出していない。時間ができた時にでもまた顔を出したいと思っている。
まだ店はやってるのだろうか。
おばちゃんは元気だろうか。
もし知ってる方がいたらぜひご一報を。 |
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| 『タガメ』 |
またもアルゼンチンがクロアチアとの親善試合にイングランド戦と同じくロスタイムに逆転となるヘディングシュートをねじこまれて負けた。
最低である。
04年にコパアメリカ決勝ロスタイムに同点弾を浴びてPK負けで優勝を逃してからというもの、どうもロスタイムに弱いアルゼンチンというイメージができてしまった。
まあ今のうちにこれだけ負けてれば本番勝ってくれるであろう。
だがポンシオとアボンダンシエリでだいじょぶなのか?
メッシは間違いなくドイツに行くだろうが、同じくワールドユース05の優勝メンバーのアグエロも見てみたい。ワールドユース01優勝コンビのダレッサンドロとサヴィオラもぜひメンバーに入れておくれよペケルマン監督。
最低と言えば動物の生態のドキュメント番組で『タガメ』の生態を見た。
田んぼなんかにいる虫で飛ぶのを初めて知った。水中の虫だと思っていたのに飛ぶとか最低だ、タガメ。体長は7センチぐらいあって魚やカエルも食べる。獲物を捕らえる瞬間に物凄く早く動くところが実に気持ち悪い。最低だ、タガメ。
そんな生態番組にかかせないのが交尾シーンである。
メスは卵を生むやいなやどこかへいなくなった。
『産卵を終えたメスは別のパートナーを探しに行きました』
ナレーションは冷酷に告げる。後は卵がかえるまでオスが必死に男手一つで育てあげる。最低だ、タガメのメス…。
そんなタガメの交尾を見ながら作った単独用のネタはやはり最低だった。
仮タイトルは『S』。単独の日、ネタのリストに入っているか否かはまだ私にさえもわからない…。
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| 『死』 |
私の書くネタは『人の死』を扱ったものが多い。
不謹慎だと笑えない人もいると思う。
何年か前に祖母が亡くなった。
祖母は筋肉が固まっていく病気で、頭はしっかりしているのだが日に日にやつれ、動けなくなっていくのが目に見えて明らかだった。
意思の疎通もとりにくくなり、やつれて『人』ではなくなっていく祖母を見ているのが辛くて私の足は祖母の元から遠のいた。
私は確実に近づいてくる『死』という得体の知れないものから逃げたのだ。
物心ついてから初めて味わう人の『死』だった。
どう受け入れればいいのかわからなかった。
涙が止まらず、骨になってしまった祖母を骨壺に入れることもできなかった。
祖母がなぜ今骨になって、ここにいるのではなく『ある』になったのかが理解できなかった。
『痴呆』、いわゆる『ボケ』は人間だけにあると聞く。
一説には、間違いなく誰にもやってくる『死』の恐怖をまぎらわす為にあるのだという。
もしかしたら私は、あの得体の知れない『死』に対する恐怖から逃れる為に『死』自体をボケにして『笑い』にすることで必死に受け入れようとしているのかもしれない…。 |
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| 『THE 布団』 |
春である。
バイクの上に
布団を干した。
散歩した。
猫としばらくにらめっこした。
バイクの上に
座布団も干した。
うとうとした。
うっかりした。
21時まで
座布団干した…。 |
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| 『やり直し』 |
ニュースを見ていると、たまに試験問題を盗もうと学校に忍び込んで捕まる学生がいる。
もちろん良くないことなんだが、マヌケすぎて面白い。
勉強する、カンニングする、という選択支があるにもかかわらず危険をおかしてまで学校に忍び込み、捕まる。
くだらない。
実にバカバカしくて良い。
人生は何度でもやり直しができると聞く。
ある意味で彼らにはズバ抜けた行動力と発想力があるし、きっと大物になると思う。
やり直せばいいだけだ。
高校時代、食堂から食券が大量に盗まれた。噂では一つ上の先輩が盗んでまわりの友達にも安く売りさばいてた、と聞く。
間もなくルパンな先輩は退学になった。
罪名は『食券乱用』である。
やり直さなくていい人もいると思う…。 |
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| 『最悪な寝起き』 |
レスラーのマスクみたいなものを被った連中が物陰に隠れ、誰かを襲おうとしている。
次の瞬間、私もその連中に襲われてはがいじめにされ、背中からボールペンの中身の様な細いするどい凶器で串刺しにされた。
なんとか逃げきった私は地下の公衆便所の一室に逃げ込み、下腹部まで貫通した四、五本の凶器を血まみれになりながらゆっくりと一本づつ抜いた。
便所は汚く、うんこまみれになりながらも復讐の為、私は便所の扉を開けた…。
夢占いができる人はこの夢の意味を教えて下さい…。 |
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| 『16年の探検』 |
上京したての頃、相方とチャリンコを二人乗りしてよく『探検』に出かけた。
何も知らない町を、
『こんなとこにコンビニがあっぞ!』
だとか
『おい、これ女子寮だべや!』
などと、見る物全てが新発見だった。
ふと目の前に派出所が現れた。
『何やってんだよお前らはぁ…!降りろ!』
『逃ーげろーぃ!!』テンションが上がっていたので逃げた。
だが警察官のセリフが気になった。
『何かあの警察あきれてたよなぁ?』
『うん。何か注意の仕方おかしかったなぁ…』
帰り道ずっと考えた。
『たぶんこうだな』
『何?』
『基本的に俺らは年より老けて見られるだろ?』
『あぁ』
『てことは今24だから30前後に見られたわけだ』
『あぁ』
『30前後のおっさん二人がチャリンコ二ケツしてテンション上げてるのを見てお前が警察だったら何て注意する?』
『何やってんだよお前らはぁ…!』
『つまりそういうことだな…』
『高二』の気分で出かけた二人は『42歳』のテンションで帰宅した…。
16歳で出会った二人のつきあいは今年で16年目を迎える…。
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| 『ゴルゴ13』 |
医者と床屋には『ゴルゴ13』が置いてある確立が高い。
私も好きでたまに読むのだが、あまり友達の家でゴルゴ13を見かけたという記憶がない。今笑った人は私がゴルゴ13を読んでる姿を想像し、『殺し屋の様な男が殺し屋の様な目つきで殺し屋の本を読んでいる』などと考えたからであろう。
だが殺し屋の様な男は『パタリロ』も読めば『ぼのぼの』も読むし『キン肉マン』も読めば『ポコニャン』も読む。もっと言えば『ノルウェイの森』も『ドグラマグラ』も『変身』も『人間失格』も『完全自殺マニュアル』も読んでいる。ディズニーランドに行けば皆と同じ様に並ぶしクレープも好きだ。買い物袋から長ネギが少し出るし自販機から戻る千円を何度も入れ直すしクレープが好きだ!鼻歌で歌詞は間違えるしクレープが好きだ!クレープが好きだ!俺はクレープが大好きだ!クレープ!!言え!クレープと言え!!歌え!クレープの歌を歌え!無いなら作れ!クレープ!クーレープ!!
クーレープ!!
クーレープ!!
クーレ…
だが、医者と床屋には『ゴルゴ13』が置いてある確立が高い…。 |
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